医薬品不足問題について

 近年、世界各国で医薬品不足が深刻化しており、それに伴い患者様の死亡リスクが上昇していると言われています
 日本の医薬品不足は2020年、小林化工と日医工による不正製造をきっかけにジェネリック医薬品業界全体での体制見直しが行われ、その過程で多くの製品で品質や管理の問題が明らかになり、出荷停止が相次いだことに端を発します。ただ品質に問題があるケースは1割弱で、むしろ些細な手順上の問題が多かったようです。更にこのような状態であるにも拘らず、2024年10月から先発薬品に追加負担が科せられ、強力にジェネリック薬品の使用促進が進められたことも原因の一つです。また薬の不足感が高まった結果薬局が必要以上の在庫をもったことも不足に拍車をかけました。
 これに対し国は増産のための財政支援を行うほか、多くのジェネリック薬品企業が少量ずつ多品目の製剤を作っていることも問題としており、企業が協力し薬を分担して製造するような改革も進められています。さらに製薬会社が多すぎるとしての少数精鋭への統合を進めているようですが、米国ではこの方向で企業の数を減らしたことが結局は一層の薬不足に繋がったという結果もあり悩ましいところです。
 現在われわれのところではADHD治療薬のコンサータ不足でご迷惑をかけています。これは依存性がある薬剤であるため承認を得られている他剤が極めて少ないこと、更に承認薬のうちの1つの先発品に発がん性物質の混入が見られ製造中止になったため、コンサータの需要が一気に高まったことによります。早い他剤の承認が待たれるところです。コンサータはもともと登録制で使用量も完全に把握されていた薬剤ですし、製造量を増やすようさらなる努力をお願いしたいところです。 

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